売掛債権を現金化できる「サービサー」とファクタリングの違いとは?
ファクタリングは、現金になる前の売掛債権を業者(ファクタリング会社)が買い取るというサービスですが、これと似たようなサービスを提供している業者に「サービサー(債権回収会社)」というものがあります。
サービサーは依頼に応じて、いまだ現金になっていない売掛債権を買い取っていますが、これだけを見るとファクタリング会社と大きな違いがないように思われます。
しかし実際には、ファクタリング会社とサービサーの間には大きな違いがあります。
というわけで今回の記事では、
・サービサーとは何か?
・サービサーとファクタリングの違いは?
といった点についてまとめてみました。
サービサーとは?
サービサーは、冒頭にもあるように債権回収会社のことです。
債権を保有している債権者の依頼を受け、債権を買い取ります。
そのうえで、サービサーは債務者に対して取り立てを行い、債権に定められているお金を回収します。
「サービサー法(債権管理回収業に関する特別措置法)」に基づいて認可を受けた業者が、サービサーとして業務を行っています。
サービサーとファクタリングの違い
サービサーもファクタリング会社も、「売掛債権を買い取って現金化する」という基本的なサービス自体は同じですが、両者の間には大きな違いがいくつかあります。
具体的にはどのような違いがあるのか、見てみましょう。
サービサーが扱うのは「特定金銭債権」
ファクタリングは、基本的に“入金前の売掛債権”を買い取るサービスです。
「入金日はまだ先だけれども現金が必要になった」というとき、ファクタリング会社に依頼すると債権を買い取ってもらうことができ、早期の現金化ができます。
たとえば当社の場合は医療・介護関係の皆様が診療・介護報酬債権をいち早く現金化したいというとき、そのお手伝いをさせていただいています。
一方で、サービサーが扱うのは「特定金銭債権」と呼ばれるものです。
これは、入金期限が過ぎた債権のことを指します。
入金期限が過ぎたにもかかわらず入金がなく、催促をしても返答がない場合などに、そのような債権の回収を専門に行うサービサーに依頼するわけです。
いわば、サービサーは債権の現金化業者であり、取り立て屋でもあるといえるでしょう。
昔は、このようなときに債権回収を請け負うのは弁護士だけでしたが、1998年にサービサー法が制定されて以降は、民間の業者も行うことができるようになったという経緯があります。
ちなみに、「取り立て屋」といえば乱暴な取り立てをする業者をイメージする方もいるかと思いますが、サービサー法では取り立て行為に関する厳格な規制が設けられています。
・暴力的な態度をとる
・乱暴な声を出して高圧的に迫る
・多人数で債務者を取り囲んで支払いをさせる
といった行為は禁じられており、あくまでも法律に認められた範囲内で取り立て行為を行うことになります。
サービサーを利用するのは金融機関等
ファクタリング会社は、さまざまな業種の会社や団体からの依頼を受けています。
たとえば当社は、医療機関様や介護関係の皆様を対象にサービスを提供しています。
一方で、サービサーを利用するのは銀行やクレジットカード会社などの金融機関がメインとなります。
焦げ付いた貸付債権やクレジットカード債権を回収するために、サービサーを利用するというケースが最も多く見られます。
まとめ
今回は、債権の現金化を行うサービサーという業者とファクタリング会社の違いについて解説しました。
あらためてまとめると、
・サービサーは特定金銭債権(入金期限が過ぎた債権)を買い取る債権回収会社
・サービサー法に基づいて債権の買取と取り立てを行う
・サービサーの利用者は金融機関がメイン
という感じになります。
サービサーを利用するのは金融機関がメインということもあり、当社が対象としている医療・介護関係の皆様が関わりを持つことはないかと思いますが、ファクタリングについての知識を深めるためにも、今回の記事を参考にしていただければと思います。