医療費の消滅時効とは?防ぐ方法、対応方法を伝授!
一般的に1~3割負担とされている医療費ですが、
「今は払えない」「今月は難しい」
など、さまざまな理由で支払いを拒まれることは珍しいことではありません。
しかし、「なかなか請求しにくい……」と回収作業を行わないのは厳禁です。
理由は「医療費には時効があるから」です。
ここでは医療費の「時効」をテーマとし、回収の注意点などについてまとめてみました。
ぜひ参考にしてみてください。
医療費には時効がある?
病院を運営するために大切な収入源である「医療費」。
医療費も「債権」であり、治療・予防医療を受けた者は患者であると同時に「債務者」となります。
しかし、2005年の調査によると「未回収の医療費がある」と回答した医療施設は9割以上。
医療費の未回収というのは医療業界全体の大きな問題となっているのです。
現場では、
「持ち合わせがないといっていた」
など、「支払いの延期」を認めざるとえないケースは多々あるかと思いますが、それでも回収しなくていい医療費など存在しません。未回収分が増えると病院の運営に差し支えることになりますので、医療費回収はしっかり行うようにしましょう。
また、気を付けなければならないのが「期限」です。
医療費はほかの債権と同じで「消滅時効」があります。つまり、期限を過ぎたものは回収することができないということになります。
2020年3月31日以前に施行されていた旧民法では、民間の病院(個人運営のクリニックなど)、公立病院にかかわらず『3年』とされていましたが、法改正によりこれが『5年』となりました。
ここで、
「未払いが発生した日の翌日から起算し、5年後が回収期限となる」ということを覚えておきましょう。
医療費の時効を防ぐ方法とは?
通常、メール・電話で請求をしたあと、内容証明郵便いて督促状を送付するなど、患者側の支払いを促すようなアクションを起こしますが、それでも「時効」は待ってくれません。
ここでは時効の「阻止」するための4つの方法をお伝えします。ぜひ参考にしてください。
催告を送る
「督促状」を送付するときにも内容証明郵便を使いますが、これは「催告」を行う手段となります。
催告は督促と同じような意味と思われていますが、「医療費のお知らせ」などと記載されている督促状と違い、催告は具体的な期日を明記したうえ「入金が確認できない場合は法的措置を取ります」といった、より厳しい通告となります。
督促状にも似たような文言が記載されますが、扱いとしては「督促状を無視した者へ送るもの」であり、この催告をした時点で半年間、時効を延長する(正確には「時効完成を猶予する」)ことができます。
債務を承認してもらう
病院側、そして患者側にも「良策」といえる方法がこちら「債務の承認」です。
これは、債務者が未払いの医療費の一部を支払うことで、時効を中断する効果を持ちます。
全額を支払えない患者でも「分割払いなら応じられる」と応じてくれるケースが多く、病院側としても時効が猶予されるとうメリットがあるため一番おすすめといえます。
民事訴訟
最終手段といえるのがこちら「民事訴訟」です。
病院側と患者側でトラブルに発展した場合、当事者たちではどうにもならない状況に陥ってしまった場合、「法の下」で決着をつけるという方法が有効とされていますが、一部の医療費を支払えない患者に弁護士を雇う費用があるとは考えにくく、病院側も余計な費用を捻出することとなります。
そのため、「時間やお金に余裕があるけどトラブルになった」といったケースでのみ適用することをおすすめします。
医療費回収の注意点
すべての医療費を回収したいところですが、いくつか注意点があります。
まず、「違法な取り立てをしないこと」。
例えば、自宅に訪問して脅迫まがいの回収作業をする、職場に電話をかける、第三者に見られるような形式(張り紙など)で通達する、などがこれにあたります。
こうした違法行為をしてしまうと、病院側が不利になってしまうこともあるので、注意するようにしてください。
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