最近話題の「後払い・ツケ払いファクタリング」とは?
今回は、ここ最近よく名前を聞くようになった「後払い・ツケ払いファクタリング」をテーマにお送りします。
初めに書いておくと、このサービスは個人向けの現金調達サービスとして広く利用されつつありますが、同時に消費者庁や金融庁から注意喚起がなされているサービスでもあります。
実は「ファクタリング」の皮をかぶった貸金業ではないかという見方がなされており、2021年にはいくつかの業者が摘発されるという事態も起こっています。
というわけで、今回の記事はあくまでも「このようなものも世の中にはある」という程度でご覧いただければと思います。
後払い・ツケ払いファクタリングとは?
後払い・ツケ払いファクタリングは、別名「後払い現金化」「ツケ払い現金化」などと呼ばれることもある現金調達サービスです。
業者に申し込みをすると、「手もとに現金がない」という状態でも所定の手続きをすることで現金を手に入れることができます。
基本的な仕組み
後払い・ツケ払いファクタリングは、
(1)業者が指定する商品を後払い・ツケ払いで購入する
(2)購入した商品をもとに、何らかの方法で現金を得る
(3)期日までに購入代金+手数料を業者に支払う
というのが基本的な仕組みであり、(2)の「何らかの方法」は大まかに分けて2通りあります。
以下に解説する「転売して現金化」「宣伝して現金化」という方法です。
【①転売して現金化】
業者を通して後払い・ツケ払いで購入した商品を、業者が紹介する買取業者のサービスを利用して売却し、現金を得ます。
こちらがメインの方法で、多くの業者が採用しています。
【②宣伝して現金化】
後払い・ツケ払いで購入した商品について、SNSなどを通じて宣伝すると、購入代金の一部が「キャッシュバック」「宣伝報酬」という名目で利用者に還元される仕組みです。
宣伝のためにSNSにレビューを投稿したりしなければならない分、【①転売して現金化】よりもやや時間がかかる方法といえます。
ちなみに、仕組みの「(3)期日までに購入代金+手数料を支払う」というところが2社間ファクタリングの仕組みと似ているため、「後払い・ツケ払いファクタリング」と呼ばれることがあると考えられます。
しかし、本来の2社間ファクタリングは、「売掛債権を業者に売却してのちのち支払う」という仕組みなので、似て非なるものといえそうです。
メリットや注意点について
後払い・ツケ払いファクタリングのメリットは、消費者金融やクレジットカードの支払いで延滞を重ねるなどの金融事故がある、いわゆる「金融ブラック」の状態でも利用できるとする業者が多いことです。
審査がゆるい業者が多く、大手の消費者金融の審査を通らなかった方も利用できる場合があります。
ただし、もともとお金がない状態で利用してしまうと、のちのち期日までに商品の購入代金を支払うことが難しくなって経済状況が悪化したり、業者によっては支払いが滞った場合に不当な請求を行うこともあり、トラブルに発展する可能性があります。
消費者庁・金融庁から注意喚起が出ています
後払い・ツケ払いファクタリングは一見すると便利なサービスであり、
「後払いで購入した商品を転売することで現金を得る」
「後払いで購入した商品を宣伝することで『宣伝報酬』の名目で現金を得る」
ということで、一見すると筋の通った仕組みのように思われます。
しかし、消費者庁や金融庁をはじめとする国の機関では、「カタチが変わっただけで実質的な貸金業にあたる可能性がある」と解釈しており、冒頭でも紹介したように注意喚起を行っています。
現在のところ100%違法であるとは言われていませんが、貸金業法に抵触する可能性があるということで、グレーな現金調達サービスであるといえます。
まとめ
いかがでしょうか。
今回は、特にここ1~2年の間によく聞くようになった話題の「後払い・ツケ払いファクタリング」についてまとめてみました。
後払い・ツケ払いファクタリングは、審査がゆるく、「金融ブラック」の状態でも利用できる業者が多いという点で多くの人に利用されつつあります。しかし実質的な貸金業ではないかとも考えられており、国の機関は盛んに注意喚起を行っています。
実際のところ、違法な取り立てを行う危険な業者も少なくないようです。
100%完全に違法であるというわけではないものの、利用しないのが得策だといえるでしょう。